空港・街中・eSIMまで!ギリシャで使えるSIM&WiFiの最適解

ギリシャ旅行

 

ギリシャ旅行を計画する際、多くの人が悩むのが「現地でのネット環境」です。空港に着いた瞬間から地図アプリやメッセージを使いたい、島旅でもスムーズに写真を共有したい、家族全員が快適にネットを楽しみたい――そんなニーズに応える手段が「SIMカード」「eSIM」「ポケットWiFi」です。

ギリシャでは、Cosmote・Vodafone・Novaの3大キャリアが主流で、観光客向けのプリペイドSIMも豊富。さらにAiraloやHolaflyといった国際eSIMサービスの普及により、日本出発前に契約しておけば到着直後から接続可能です。家族やグループでの旅行なら、複数端末を同時に接続できるポケットWiFiが便利な選択肢になります。

本記事では、それぞれの特徴・料金・購入方法をわかりやすく整理し、旅行スタイルに合わせた最適な選び方を解説します。通信トラブルを避け、ギリシャの旅を存分に楽しむためのヒントをまとめました。

はじめに|ギリシャ旅行での通信事情の重要性

エーゲ海の絶景や遺跡巡りを心ゆくまで楽しむには、現地の通信が鍵です。地図、配車アプリ、予約確認、翻訳。どれも「その場でつながる」ことが前提です。ところが到着直後にネットが使えないと、移動やチェックインが滞り、旅の初日から不安になります。本記事は、ギリシャでのSIM・eSIM・ポケットWiFiを横断的に整理し、あなたの旅程や人数、予算に合わせた最適解へ導きます。2025年時点の事情を踏まえ、空港・街中・オンラインそれぞれの入手ルートと注意点を具体的に解説します。

旅行者が直面しがちな不安とは?

  • 空港でSIMが見つからない、英語対応が不安
  • 市内のフリーWi-Fiが不安定で、配車や地図が固まる
  • 家族や友人と複数端末を同時接続したいが、費用感が読めない
  • 5Gやカバー率の違いが分からず、島旅で圏外が心配

この記事で解決できること

  • 主要手段(SIM/eSIM/ポケットWiFi)の違いと選び方を整理
  • 空港・公式店舗・キオスク・ストリート販売・オンラインの入手手順を具体化
  • 観光客向けプリペイド例と、おおよその料金感を把握
  • 島嶼部を含むカバー率や速度の目安、対応バンド、VPNなど安全対策の要点を提示

読み進めれば、到着直後から迷わず接続できる準備が整います。旅のスタイル別に最適解を示すので、短時間で判断できます。

ギリシャのSIM事情

ギリシャ旅行では、どのSIMカードを選ぶかが快適な滞在を左右します。ギリシャ国内の主要キャリアは Cosmote、Vodafone Greece、Nova の3社が有名です。それぞれに特徴があり、旅行スタイルや訪問エリアに応じて最適な選択が変わります。

主要キャリア(Cosmote・Vodafone・Nova)の特徴比較

Cosmote

ギリシャ最大手の通信事業者であり、加入者数・シェアともに国内トップクラスを誇ります。都市部のアテネやテッサロニキはもちろん、エーゲ海やイオニア海に点在する多くの島嶼部にまで通信網を広げているため、観光客が訪れる主要なリゾート地や離島でも安定して利用できる点が最大の強みです。
特に観光で人気のサントリーニ島やミコノス島といったリゾート地では、他社に比べて圏外になるケースが少なく、安定したデータ通信を期待できます。また、国内の高速道路や地方都市でも比較的つながりやすく、「とにかく安定した接続」を求める旅行者やビジネス利用者に向いています。
一方で、プリペイドプランの価格はVodafoneやNovaと比べてやや割高な傾向があるため、コストよりも「つながる安心感」を重視する人向けと言えます。

Vodafone Greece

世界的ブランドであるVodafoneのギリシャ法人で、通信速度とカバー率のバランスにおいて非常に高い評価を受けています。特に4G/5Gの平均通信速度が安定して速く、都市部や観光地でのストリーミング動画視聴やSNS投稿、オンライン会議など、容量や速度を必要とする利用シーンに向いています。
観光客向けのプリペイドパッケージも豊富で、短期滞在者にとって選びやすいラインナップが揃っています。例えば、20日間・25GBの大容量プランや、30日間・無制限データプランなど、滞在日数に合わせて柔軟に選べるのが魅力です。
ただし、離島や山岳地帯など、一部の辺境エリアではCosmoteに劣るケースもあり、カバー率の「隙間」が気になる人もいます。それでも主要都市や観光地を中心に旅行する場合には、通信速度と利便性を兼ね備えた優れた選択肢です。

Nova

かつては「WIND Hellas」として知られていた事業者で、現在は「Nova」としてブランド展開しています。全国カバー率は97%以上に達しており、通信網の整備が進んでいる点が強調されています。特に5Gの通信速度においては国内最速クラスで、平均183.4Mbpsという高水準を記録。動画のダウンロードや大容量データのアップロードなど、ヘビーユーザーに適した環境を提供しています。
料金プランも比較的リーズナブルで、長期滞在やコストを抑えたい旅行者に好まれやすい傾向があります。また、都市部に限らず地方都市でも意外に強い接続性を見せるため、国内を横断して観光する人にも選ばれています。
ただし、ブランド力や国際的な知名度という点ではCosmoteやVodafoneに及ばず、初めてギリシャを訪れる観光客からすると「聞き慣れない会社」という印象を持たれるかもしれません。それでも、性能面とコストパフォーマンスの高さから、近年は利用者の満足度が高まっているキャリアです。

SIMの購入方法(空港・店舗・キオスク・ストリート販売)

空港カウンター

アテネ国際空港(エレフテリオス・ヴェニゼロス空港)やテッサロニキ空港など、大規模な国際空港には通信キャリアの公式カウンターが設置されています。到着してすぐにSIMを入手できるため、空港から市内に移動する際にGoogleマップや配車アプリを利用したい人にとっては非常に便利です。
ただし、利便性の高さと引き換えに料金はやや割高で、同じ容量のプランでも市内店舗やオンライン購入に比べると数ユーロ〜十数ユーロ高いケースがあります。また、混雑時には手続きに時間がかかることもあるため、「確実にすぐ使いたい」「価格よりも安心を優先したい」という旅行者向けです。

公式店舗

市内の大通りやショッピングモールには各キャリアの公式ショップが多数あり、ここで購入すれば正規の手続きが受けられます。ギリシャではSIM購入時にパスポート提示が必須となるため、こうした公式店舗では身分証明の確認から開通作業、端末への設定サポートまで丁寧に対応してもらえます。
特にスマートフォンの設定に不安がある人や、SIMロック解除済みかどうかを現場で確認したい人には安心です。また、最新のプロモーションや観光客向けパッケージ(例:○日間データ使い放題、通話付きプランなど)を案内してもらえることも多く、納得感のある契約ができます。
デメリットは、空港と同様に観光シーズンは混雑しやすく、英語対応スタッフが少ない店舗ではコミュニケーションに時間を要する場合がある点です。

キオスクやコンビニ

ギリシャの街角には「ペリプテロ」と呼ばれるキオスクや、ミニコンビニが数多く存在し、ここでもプリペイドSIMを扱っている場合があります。代表的な販売スポットとして「OK」「Smile」などが知られ、観光客でも気軽に立ち寄れる雰囲気です。
利点は営業時間が長く、夜遅くや休日でも購入できる点です。ただし、取り扱っているのは一部キャリアや特定パッケージに限られることが多く、容量や料金の選択肢はかなり絞られます。また、販売員が通信キャリアの専門スタッフではないため、設定サポートは期待できず、基本的に自分でアクティベーションを行う必要があります。SIMの扱いに慣れている旅行者向けと言えるでしょう。

ストリート販売

アテネの地下鉄駅周辺や繁華街(例:オモニア広場、シンタグマ広場)などでは、キャリア公式に雇用された販売員が路上でSIMを販売している光景が見られます。見た目は非公式の露店販売に近いですが、実際には正式に登録されたスタッフであり、その場でパスポート確認とSIMの開通を行ってくれるのが一般的です。
料金は公式店舗よりも安めに設定されていることが多く、短期滞在者向けに割安パッケージを提示してくれる場合もあります。また、販売員の多くは英語を話せるため、観光客でもやり取りに困りにくい点もメリットです。
一方で、観光地以外では見つけにくく、また「本当に公式スタッフかどうか不安」という声もあるため、利用する場合は必ず正規の証明書を持っているか確認すると安心です。

観光客向けプリペイドSIMの料金プラン例

Vodafone

Vodafone Greeceは観光客向けのプリペイドプランが充実しており、短期滞在から1か月程度の旅行まで幅広く対応しています。代表的なものは、25GBのデータ+200分の国内通話付きで約20ユーロ(利用期間20日間)というプラン。観光でGoogleマップやSNS、動画閲覧を利用するには十分な容量で、コストパフォーマンスが高いと評判です。
さらに、無制限データ+200分通話で約30ユーロ(30日間)という大容量プランもあり、動画のアップロードやリモートワークでの利用を想定している旅行者にはこちらが安心です。Vodafoneは都市部や主要観光地での通信速度が非常に安定しているため、アテネやサントリーニ島などでストレスなく利用できます。

Cosmote

ギリシャ最大手のキャリアであるCosmoteは、13〜15ユーロ程度で2.5〜4.5GBのデータ通信+音声通話付きパッケージを提供しています。価格が比較的手頃で、短期滞在や「連絡用として最低限のデータがあれば十分」という人に向いています。
また、Cosmoteは国内のカバー率が最も広いため、都市部だけでなく島嶼部や地方への移動を予定している観光客にとって安心感があります。例えば、地方の村や小規模リゾートを訪れる場合でも繋がる確率が高く、「どこでも安心してネットに接続したい」という利用者に選ばれやすいキャリアです。

Nova(旧WIND Hellas)

Novaは観光客向けに大容量データプランを多く用意しているのが特徴です。料金も他社に比べて比較的リーズナブルで、コストを抑えつつ大容量の通信を確保したい旅行者には魅力的な選択肢となります。
特に、5G利用時の通信速度が平均183Mbps前後と非常に高速で安定しているため、動画視聴やSNSへの写真・動画投稿、クラウド利用などを頻繁に行う人に最適です。都市部だけでなく、地方都市でも比較的良好な接続を維持できる点が強みです。

容量の目安と選び方のポイント

観光地を中心に滞在する場合、20〜30GB程度のデータ容量があれば十分対応できます。
・SNSや地図アプリ、翻訳アプリを日常的に使う程度なら10〜15GBで足りるケースもあります。
・YouTubeやNetflixを頻繁に見る、ZoomやTeamsでオンライン会議を行うといった用途がある場合は、無制限プランや30GB以上を選んでおくと安心です。
・家族やグループで1台のスマホをテザリングして使う場合は、容量消費が早いため「無制限プラン」か「大容量プラン」が現実的です。

短期滞在

観光や出張などの短期滞在であれば、最も重要なのは「すぐに使える手軽さ」と「最低限のデータ容量」です。空港の到着ロビーにあるキャリアのカウンターや、市内中心部の公式店舗でプリペイドSIMを購入すれば、到着直後からインターネットを利用できます。空港はやや割高ですが、移動中にすぐGoogleマップや配車アプリを使える安心感があります。
また、短期向けには「数日〜数週間使い放題」や「一定GB+音声通話付き」といった観光客専用パッケージが用意されていることが多く、面倒な手続きなしで利用できるのも利点です。

長期滞在

留学や長期のワーケーション、駐在など、1か月以上の滞在を予定している場合は、データ通信量の多いプランを選ぶのが現実的です。動画視聴やリモートワークでのオンライン会議が多い人にとっては、大容量プランや無制限プランが安心でしょう。
この場合、VodafoneやNovaの大容量プランが候補になります。特にNovaは5Gの速度が非常に速く、料金も比較的リーズナブルなため、コストと快適さを両立できます。Vodafoneはパッケージの種類が豊富で、短期更新や自動延長オプションを活用しやすいのが特徴です。長期滞在者は価格だけでなく、契約延長のしやすさも確認しておくと良いでしょう。

地方や島巡り

サントリーニ島やミコノス島、クレタ島などのリゾート地、あるいは本土の山間部や田舎町を訪れる予定がある場合は、カバー率を最優先に考えるのがおすすめです。ギリシャは島が多く、都市部から離れると電波が弱いエリアが残っているため、どこでもつながる安心感を求めるならCosmoteが最有力候補となります。
Cosmoteは国土の広範囲をカバーしており、辺境エリアでも比較的安定して接続できるケースが多いため、「離島観光を計画している人」「田舎町までレンタカーで移動する人」には特に相性が良いです。

SIMカードの種類やプランは時期によって変動するため、最新情報を確認してから購入すると安心です。

ギリシャで使えるeSIMの選択肢

近年は、物理的なSIMカードを入れ替えずに利用できる「eSIM」が旅行者の間で急速に普及しています。ギリシャでも、入国前にオンラインで契約・インストールを済ませておくことで、空港に到着した瞬間からネット接続が可能になります。

eSIMの魅力

  • SIM入れ替え不要で、スムーズに通信開始
  • オンライン契約なので、空港の混雑や購入手続きの手間がない
  • 短期・中期滞在の旅行者にとって、コストと利便性のバランスが良い

eSIM利用時の注意点

  • 対応端末:iPhoneの最新機種や一部Android端末のみ利用可能
  • 通信速度:キャリア直契約に比べると、国際eSIMは速度制限がかかることがある
  • トラブル時の切り替え:通信が不安定な場合は、Wi-Fi環境で再インストールや設定変更が必要
  • サポート言語:国際eSIMは英語サポートが中心。現地キャリアならギリシャ語+英語対応

事前に「機種がeSIM対応か」「APN設定方法が分かるか」を確認しておきましょう。

eSIM対応サービス(Airalo・Holafly・Nomadなど)

Airalo

Airaloは世界150か国以上に対応する大手eSIMプロバイダーで、短期旅行から長期滞在まで幅広く利用できます。特徴は柔軟なプラン設計で、1GB程度の小容量から数十GB規模の大容量まで段階的に選べる点です。旅行者は「数日間だけ地図やメッセージアプリを使いたい」場合でも、「1か月間しっかり動画やSNSを使いたい」場合でも自分に合ったプランを選べます。
また、料金は比較的リーズナブルで、アプリ経由で購入・管理が簡単。利用開始もQRコードを読み込むだけなので、SIMカードの差し替えが不要で手軽です。複数の国を周遊する人には、ヨーロッパ周遊用の地域パッケージが特に人気です。

Holafly

Holaflyは大容量や無制限プランが豊富なのが大きな特徴で、「通信量を気にせず使いたい」旅行者に向いています。SNS投稿や動画視聴を頻繁に行う人、リモートワークでオンライン会議が必要な人にとって安心感のある選択肢です。
特に「無制限データ」をうたうプランは、数日から数週間の旅行者に人気があります。料金はAiraloに比べるとやや高めですが、「容量切れで追加購入が必要になる心配がない」という点で評価されています。また、専用アプリから即座に購入できるため、直前の旅行準備でも対応可能です。

Nomad

Nomadは比較的新しいサービスですが、アプリで完結できる手軽さが魅力です。プランの購入から開通、残量確認まで全てアプリ内で操作でき、ユーザーインターフェースもシンプルで使いやすいと評判です。
料金はHolaflyより安く、Airaloと同程度かやや安価なケースも多く、コストパフォーマンスに優れます。データ容量は数GB〜中容量が中心で、無制限プランは少ないですが、「安さと使いやすさのバランス」を求める人には適しています。

SimOptions

SimOptionsは複数ブランドのeSIMをまとめて比較・購入できるマーケットプレイス的な存在です。AiraloやNomadなどの個別サービスと異なり、利用者が各キャリアやブランドのプランを横並びで比較し、その場で購入できます。
メリットは「一つのサイトで複数の選択肢を確認できる」点で、旅行前にじっくり検討したい人や、国や地域ごとのベストなプランを探したい人に最適です。また、eSIMだけでなく物理SIMの販売も行っているため、「対応端末かどうか不安」という旅行者にも安心感があります。

共通の特徴と利用の流れ

これらのeSIMサービスはすべて、オンラインで購入 → QRコードを取得 → スマホにインストール → 即利用開始という流れで利用可能です。物理SIMのように店舗での購入や差し替えは不要で、空港到着前から使えるのが最大の利点です。
ただし、以下の点には注意が必要です:

  • 利用端末がeSIM対応かどうか(iPhoneやPixelは対応モデルが多い)
  • 一部の「無制限プラン」は速度制限や利用上限が設けられる場合がある
  • 通話やSMSが含まれないデータ専用プランが多いため、電話番号が必要な場合は別途対策が必要

現地キャリアのeSIM提供状況

Vodafone Greece

Vodafoneはギリシャ国内で広く利用されている大手キャリアのひとつで、近年は観光客向けパッケージにもeSIM対応が増加しています。従来は物理SIMが中心でしたが、2023年以降はアテネ空港や主要都市の公式ショップで「旅行者用eSIM」をその場で発行できるケースが目立つようになりました。
観光客専用のプリペイドプラン(例:20日間・25GB/30日間・無制限データなど)をeSIMで利用できるため、SIMの差し替えをせずに日本のSIMと併用できる点が便利です。また、Vodafoneはアプリ経由でプランの残量確認や追加チャージも可能になっており、「すぐに使いたい」+「快適に管理したい」旅行者に適しています。

Cosmote

ギリシャ最大手のCosmoteも、一部の公式店舗でeSIMの提供を開始しています。まだすべての店舗で対応しているわけではありませんが、アテネやテッサロニキといった大都市、観光需要の高いエリアではeSIMを選べる機会が徐々に増えています。
旅行者が利用できるケースも拡大しており、短期パッケージから長期向け大容量プランまで、順次eSIMに対応しているのが現状です。特にCosmoteは島嶼部や地方でもカバー率が高いため、「eSIMで気軽に契約できて、どこでもつながる」という安心感を求める人には有力な選択肢となっています。

Nova

Novaは依然として物理SIMが中心ですが、2025年時点で段階的にeSIM導入を進めています。都市部の一部店舗では試験的にeSIM発行に対応しており、今後は観光客向けパッケージにも広がっていくと見込まれます。
Novaは料金が比較的安価で、大容量プランや高速5Gをリーズナブルに提供しているため、eSIMが本格導入されれば「コスパ重視の旅行者」から高い支持を得ることが期待されています。現状では「物理SIMで契約し、将来的にeSIMへ移行可能かを確認する」という形が現実的です。

実際の利用と注意点

  • 旅行前に契約する方法
    最も手軽なのは、日本出発前にAiraloやHolaflyなどの国際eSIMサービスを契約しておくことです。これなら空港到着と同時に利用開始でき、SIM差し替えの手間もありません。
  • 現地で契約する方法
    現地キャリアの公式ショップに行けば、eSIMを直接発行してもらうことが可能です。手続きにはパスポートが必要で、店員による端末設定サポートを受けられる場合もあります。公式ショップでの契約は「安心感」と「現地専用プランの豊富さ」がメリットです。
  • 注意点
    すべての店舗でeSIMに対応しているわけではなく、地域や時期によっては物理SIMしか提供されないこともあります。そのため、「eSIM希望」と伝えるか、事前に対応店舗を調べておくとスムーズです。

ポケットWiFi(モバイルルーター)という選択肢

SIMやeSIMの代替手段として、複数人での旅行や複数端末を同時に使う場合に便利なのが「ポケットWiFi(モバイルルーター)」です。小型の端末をレンタルまたは購入し、WiFi接続することでスマホやタブレット、PCなどをまとめてインターネットに接続できます。

ポケットWiFiの特徴と利用のポイント

ポケットWiFiは、小型ルーターをレンタルまたは購入して、複数端末を同時にインターネットに接続できる便利なサービスです。SIMカードを個別に準備しなくても利用できるため、海外旅行では特に家族やグループ利用者に人気があります。

メリット

  • 複数端末を同時接続できるため、スマホ・タブレット・PCを並行して使いたいときに便利。
  • SIMカードの交換が不要で、誰でも簡単に利用開始できる。
  • 1台の料金を家族や友人とシェアできるため、人数が多い場合はコスト効率が良い。

デメリット

  • 毎日の充電が必須で、バッテリー切れによる接続不能のリスクがある。
  • 紛失や盗難時の弁償費用が高額になる場合があるため、管理には注意が必要。
  • 個別SIMに比べて料金が割高になるケースが多く、特に1人で利用する場合はコスパが悪いことも。

どんな人に向いている?

  • 家族やグループで複数台の端末を同時に使いたい人
  • SIMカードの入れ替えに抵抗がある、または操作に不安がある人
  • 短期旅行で「手軽さ」と「全員がすぐにネットにつながる安心感」を最優先したい人

利用の工夫

安心して使うためには、モバイルバッテリーを一緒に携帯しておくのがおすすめです。外出中に充電が切れてもすぐに復旧でき、快適にインターネットを利用できます。

主要レンタルサービスと料金相場

HippocketWifi

ヨーロッパを中心に展開している人気サービスで、1日あたり約€6〜€8で利用可能です。特徴的なのは「容量無制限プラン」が用意されている点で、動画視聴やオンライン会議などデータを多く消費する旅行者に適しています。複数人でシェアしても安定して利用できるため、グループ旅行や家族旅行でも安心感があります。

MioWiFi

MioWiFiは容量制限付きプランが中心で、低コスト重視の旅行者に人気です。料金は1日あたり€4前後からと手頃で、「数日間だけSNSや地図アプリを使えれば十分」という旅行者に向いています。無制限ではないため、大容量利用者には不向きですが、コスパを重視したい短期旅行者には最適です。

TravelWiFi

TravelWiFiは受け取り・返却が柔軟で、空港やホテル配送にも対応している点が特徴です。観光客にとって手間が少なく、短期旅行で「とにかく簡単に使いたい」という人に人気があります。料金はプランや容量によって変動しますが、利便性重視の旅行者から高い支持を得ています。

Rentnconnect

Rentnconnectは大容量データプランに強みを持ち、家族旅行やビジネス利用など、複数人が同時に大量のデータを使うケースに適しています。旅行中にオンライン会議をしたり、子どもが動画を視聴したりする場合でも安心して利用できます。コストはやや高めですが、その分「容量を気にせず使える安心感」が得られるのが魅力です。

MyWebspot

MyWebspotはヨーロッパ全域に対応している点が最大の特徴です。ギリシャ単体だけでなく、他の欧州諸国を周遊する旅行者にとって便利で、乗り換えや国境移動のたびにSIMを切り替える手間を省けます。料金は1日あたり€7〜€10程度で、利便性を重視した周遊旅行者に向いています。

  • 料金相場の目安
    全体的な相場は€3.90〜€12.25/日で、プラン内容によって差があります。
  • 低価格帯(€4前後) → 容量制限あり、短期・軽利用向け
  • 中価格帯(€6〜€8) → 無制限プランあり、グループ利用や動画視聴も可能
  • 高価格帯(€10前後以上) → ヨーロッパ周遊や大容量利用に対応

なお、長期旅行では日額課金が積み重なって割高になるため、1週間以内の旅行に特に向いています。1か月以上滞在する場合は、現地キャリアのSIMカードやeSIMの方がコストパフォーマンスが高くなるケースが多いです。

自前ルーター+現地SIM利用のスタイル

一部の旅行者や長期滞在者は、ギリシャ国内のLTEバンド(B1/3/7/20)に対応したモバイルルーターを自分で用意し、そこに現地のプリペイドSIMカードを挿して利用しています。この方法は、空港やレンタルWiFiサービスを利用するよりも柔軟性が高く、特に長期滞在やビジネス利用においてコスト効率に優れるケースがあります。

例えば、アテネやテッサロニキに数か月滞在する留学生や、ギリシャを拠点にヨーロッパ各国へ出張するビジネスパーソンにとっては、自前ルーターを活用することで毎日の通信費を大幅に抑えることが可能です。また、1つのルーターを複数端末で共有できるため、スマホ・タブレット・ノートPCを同時に使いたい人にも適しています。

メリット

  • 自由なプラン選択:Vodafone・Cosmote・Novaといった現地キャリアのプリペイドSIMを用途に応じて選べる。大容量プランや無制限プランを契約すれば、通信量を気にせず利用可能。
  • 複数端末で共有可能:1枚のSIMでスマホ・PC・タブレットなどを同時接続でき、ポケットWiFiと同じように扱える。
  • 長期利用で割安:レンタルWiFiを数週間〜数か月借り続けるより、初期投資をしてルーターを購入した方が総額は安くなる場合が多い。
  • 柔軟な運用:SIMを入れ替えれば、ギリシャ国外(例:イタリア、トルコ、バルカン半島諸国)でも同じルーターを継続利用できる。

デメリット

  • 初期購入費用:対応ルーターの購入に€50〜€150程度かかるため、短期滞在では割高になりやすい。
  • 設定の手間:APN設定やネットワーク接続の調整が必要で、機械に不慣れな人にはハードルが高い。
  • サイズと携帯性:ポケットWiFiに比べると大きめの機種もあり、持ち運びにやや不便。
  • トラブル時の自己解決が前提:現地店舗でサポートを受けられることは少なく、不具合があれば自分で調べて対応する必要がある。

旅行スタイル別|最適な通信手段の選び方

旅行者の人数や目的によって、選ぶべき通信手段は変わります。ここでは代表的なスタイル別に、SIM・eSIM・ポケットWiFiのおすすめを整理します。

個人旅行・短期滞在におすすめ(SIM/eSIM)

  • 空港に到着してすぐにネットを使いたい → 事前にeSIMを契約しておくのが便利
  • 数日の滞在でシンプルに使いたい → 空港や市内の公式店舗でプリペイドSIMを購入
  • サントリーニやミコノスなど島旅を予定 → カバー率に強いCosmoteかNovaを選ぶと安心

一人旅や短期滞在は「シンプルさ」と「即時性」が最優先です。

家族・グループ旅行におすすめ(ポケットWiFi)

  • 家族4人や友人同士で旅行する場合 → ポケットWiFiを1台レンタルすれば全員が接続可能
  • グループでSNSや動画を多用する場合 → 容量無制限プランのあるレンタルサービスが安心
  • 荷物が増える点はデメリットですが、1人あたりの費用を分担できるため総額を抑えやすい

特に子ども連れや高齢の家族との旅行では、SIMの差し替え作業を避けられる点も利点です。

コスト重視派におすすめ(ストリート販売や格安eSIM)

  • アテネ中心部に滞在する場合 → Metro駅周辺などで販売員から購入できるSIMが割安
  • 国際eSIMアプリを利用 → AiraloやNomadの小容量プランなら数ユーロから利用可能
  • できるだけ安く済ませたい人には魅力的だが、サポート面や通信安定性はやや劣る

節約重視なら「サポートよりコスト優先」と割り切るのがポイントです。

旅行スタイル別まとめ

  • 短期の個人旅行 → eSIMか空港SIM
  • 家族・グループ旅行 → ポケットWiFi
  • 節約志向の旅行 → ストリート販売SIMや格安eSIM

注意点とトラブル回避のポイント

ギリシャでSIMやWiFiを利用する際には、事前に知っておくべきルールやリスクがあります。ちょっとした確認不足が、旅の通信環境を大きく左右することもあるので注意しましょう。

SIM購入時に必要なパスポート提示

  • ギリシャでは法律上、プリペイドSIM購入時にパスポート提示が必須
  • 購入者情報を登録する義務があるため、旅行者も例外ではない
  • コピーではなく現物が必要なため、空港や店舗で購入するときは必ず持参しましょう

ストリート販売の販売員も公式キャリアに属している場合が多く、その場でパスポート登録を行います。

対応バンド・周波数の確認

  • ギリシャ主要キャリアのLTE/5Gバンドは B1 / B3 / B7 / B20
  • 海外から持ち込むスマホが対応していない場合、圏外になることも
  • 特に地方や島部では、B20(800MHz帯)がつながりやすいので対応確認が重要

SIMやeSIMを購入する前に、端末の対応バンドを調べておくと安心です。

公衆WiFi利用時の安全対策(VPN推奨)

  • カフェやホテル、観光地ではフリーWiFiが利用可能ですが、セキュリティは不安定
  • 通信内容が第三者に盗み見られるリスクもあるため、重要な操作(銀行、決済など)は避ける
  • VPNアプリを導入しておくことで、安全に通信を保護できる

旅行前に日本でVPNを準備しておけば、現地で急にWiFiを使うときも安心です。

トラブル回避のコツ

  • SIMやWiFiルーターを利用する前に、必ず動作確認を行う
  • データ残量や利用期限をアプリやUSSDコードでこまめにチェック
  • 万一の紛失や盗難に備え、契約番号やサポート連絡先を控えておく

まとめ|ギリシャで快適にネットを使うために

ギリシャ旅行での通信手段は、大きく分けて「SIMカード」「eSIM」「ポケットWiFi」の3つです。いずれも特徴が異なるため、旅行の目的やスタイルに合わせて選ぶことが重要です。

旅行中に安定したネット環境があれば、地図や予約確認はもちろん、感動の瞬間をすぐにSNSで共有することもできます。SIM・eSIM・WiFiを上手に使い分けて、エーゲ海の旅を存分に楽しんでください。